シリーズ研究会
【第10回:2012年3月2日@パリ】
私はどのような教育実践をめざすのか
開催要領 ― 事前参加申込が必要です
参加申し込み
一般参加の場合は,事前申込みをお願いします。会場のパリ日本文化会館の入館チェックのため,事前申込みリストに登録されていなければ入館できませんのでご注意ください。
参加ご希望の方は,メールに【氏名・ご所属・メールアドレス】をご記入の上,
gbkk-paris@gbki.org(第10回研究会事務局)
までお送り下さい。定員30名になり次第,締め切らせていただきます。
プログラム
- [12:30~13:15]講演: 細川英雄(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
- 「私はどのような教育実践をめざすのか」という問い ― 複言語・複文化主義に根ざして(講演内容と今後の展開)
- [13:30~14:30]口頭発表 セッションI
- 学習者はどう「書く」か ― 「書く」過程とその過程における他者性に注目して/武藤理恵(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
- 日本語学習者の作文内容を深める相互行為と推敲作文の質的分析/張珍華(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
- 私はどのような教育実践をめざすのか ― 「自分の日本語」を日本語教育学でどのように評価できるか,という問いに変えて/鄭京姫(早稲田大学日本語教育研究センター)
- [14:40~15:40]口頭発表 セッションII
- 「外国語学習者と母語話者がわかちあう学びとは」 ― 母語話者としてフランス語教室に参入する留学生の意識変容のプロセス/今中舞衣子(大阪府立大学)
- 「言語実践」科目における日本語学習ポートフォリオ活動 ― シャルル・ド・ゴールリール第三大学の実践から/山内薫(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
- 「好きなもの」と「好きな言葉」をつなぐ活動 ― 学習者個人の価値観の言語化をめざして/原伸太郎(リール第3大学)
- [15:50~16:50]口頭発表 セッションIII
- 境界を耕す言葉/山本冴里(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
- 違いを乗り越える教育/佐藤貴仁(早稲田大学大学院日本語教育研究科)
- 実践研究におけるリフレクションに関する一考察 ― 私にとって実践研究とはどのような営みか/古屋憲章(早稲田大学日本語教育研究センター)
- [17:00~18:00]全体討論
講演内容と今後の展開 ― 細川英雄
「〈私はどのような教育実践をめざすのか〉という問い」というテーマは,2012年度春から始める予定の日本語教師研修プロジェクト実践にかかわるものです。
言語文化教育研究会では,2006年から2007年にかけて,全国の日本語教師を対象に,インターネット上で交流するユビキタス講座を開設しました。このプログラムに参加しつつ,私は日本語教師の方々のさまざまな声を聞いてきました。その多くは,教材を一方向的に教えることへの疑問だったのですが,一方で,もし教材がなかったら自分は教室で何ができるのかという不安の声がありました。この不安は,「わたしはどのような教育実践をめざすのか」という自分自身への問いの欠如からくると私は考えています。しかし,多くの教師は,その問いを自分以外の他者と交換する機会もなく,特に海外で日本語を教える現場では,いつの間にか孤立してしまいがちです。
こうした状況を乗り越え,教師間のネットワークを築くために,日本語教師研修プロジェクトを立ち上げます。このプロジェクトではまず,実際の日本語学習者とのやり取りの経験をもとに,世界各地の日本語教師へネット対話の意義を呼びかけます。呼び掛けに応じた日本語教師を対象に半年間,ネット研修を行い,その成果を2012年9月のシンポジウムと国際研究集会にて発表できるような体制を組んでいきます。ネット研修では,世界各地の日本語教師を対象に,インターネット・プロジェクトを核にして,インターネット上に配信する研修プログラムに参加希望を募り,その参加者を対象に,ネット上でのやり取りを経て,それぞれの教育実践についてのレポートをまとめる作業を行います。
多くの日本語教師の抱える問題は,与えられた教材をどのように効率的に教えるかというところにありますが,これでは,自律的な実践を行うことができません。この研修では,「わたしはどのような教育実践をめざすのか」という理念について深くやり取りし,その意味を知ったうえで学習者と接することになるため,一方的な知識の伝達ではなく,インターアクションの本来の意味を知ることができ,さらにそれを自分自身の理論としてまとめていくことが可能になります。それに加え,後半の実践では,実際にネット上で日本語学習者とのやり取りを体験することになります。このことにより,自分の実践に生かしていけるようになります。こうして「わたしはどのような教育実践をめざすのか」について他者とともにやりとりすることを通じて,この研修で訓練を受けた日本語教師は自律的に学習者と向き合うことが可能になります。
なお,この実践プロジェクトの成果は,国際シンポジウム及び単行本の形で社会に発信されます。
スケジュール予定
- 2012年3月
- パリで研究会(講演・ワークショップ・研究発表)を開催
- 4月中旬
- プロジェクト結成(スタッフ参加メンバー確定,継続を含む)
- 過去のユビキタス講座のノウハウを活用
- 準備段階での日本語学習者の状況をネットで公開し,具体的なイメージをつくりやすくする
- 5月初旬
- プロジェクト開始(インターネット上)
- 研修プログラムに沿ってスタッフと参加者がネット上で意見交換を行い,教育実践についての自分の考えを深めるレポートを作成する。
- ユビキタス講座でのノウハウを生かし,ティーム制によりネット上のやり取りを活性化する。
- 7月下旬
- 対話レポート完成(この成果を発表へ向けてまとめる)
- 研修レポートとしてその成果を実践研究の形で発表する。
- 9月上旬
- 国際シンポジウム・研究集会開催(成果の単行本化)
- 2012年10月~12月
- 第2回プロジェクト(上記で参加した日本語教師メンバーを巻き込んだプロジェクトを結成する)
- 2013年3月
- パリ・ワークショップ・言語文化教育研究会 in Paris 開催